別れ
PM3時ごろ事務所に、くたびれていない中年男女のお二人が来店しました。
「O滝ですが・・・」と名乗られてすぐ、
昭和9年生まれのご近所さんであるO滝さんの息子さんと娘さんだと判りました。
お二人とも米沢の実家を離れて久しいですが、
今日お会いしたのは実に30数年ぶりです。
子供の頃に遊んだ記憶がありますが、
その頃とは顔つきや背丈も違うので、
同じ人物のイメージは少しも湧いてきません。
でも小中学生時分に遊んだ近所の友だちの話を振ると、
楽しい思い出と共に懐かしさがこみ上げてくるようで、
その話題でのお二人の笑顔には、
古い記憶の片隅に見覚えがありました。
またお二人が米沢の実家を訪れたという事は、
奥さんに先立たれ、
一人暮らしも長くなったお父さんであるO滝さんの病状が、
いよいよ末期の時を迎えている事を、
話をせずとも知らせてくれました。
O滝さんには保険や車の整備、除雪機の整備など、
主に仕事を通じてお世話になりました。
今年の1月には、Canon EOS-50D デジカメ一眼レフを14万円で購入し、
近くの河川に飛来する白鳥や鴨を撮影して楽しんでいました。
このカメラは自分の所有するカメラと同機種で、
自宅に何度か伺って操作方法をお話し、
そのたびごとにこれから風景や草花を撮って、
季節の移り変わりを写真として残して楽しみたいと、
笑顔で話されていました。
死は誰にでもいつかは訪れますが、
親しい人の死には漂うような悲しさがつきまといます。
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