アオサギ
走行中の車の窓を下げ、シャツをまくりあげた腕をガラス越しにダラリと垂らすと、
キリリとしたやや冷たい早朝の空気は気持ち良く車内に飛び込む。
朝、事務所への出勤はいつものように下水処理場近くの農道を通る。
区画整理された一枚の田んぼに五羽のアオサギを見つけて、
農道から細道に入り、助手席のウィンドウからデジカメを構える。
首を田んぼから垂直にもたげて警戒しているのだろう、じっとこちらを見ている。
見た目は人間なら美男美女なのだが、鳴き声は相当品がない。
夜、自宅近くの田んぼや河川敷を歩いていると、
真っ暗闇から「ギャーッ」と叫ぶ鳴き声と共に、
バサッバサッと大きな羽音を立てて飛び立つ。
驚いて「ギャ-ッ」と言いたいのはこちらのほうだ。
コメント