下弦の月
ワン!ワン!ワン!
玄関に居る2匹の犬が吠え、
車のドアをバタンバタンと開け閉めする音で起きて、
傍らにある腕時計を見るとAM3時20分。
眠れそうも無いから着替えもせず事務所へ向かう。
初秋のように冷ややかな空気の中で下弦の月は美しく、
辺りはその光で薄明るい。
24時間のコンビニは店内の蛍光灯や駐車場の水銀灯で、
電気代の無駄遣いと思えるほどまぶしい。
カラオケ店の駐車場で、いまどきの若い人たちは楽しそうに立ち話をしている。
マンガ喫茶の駐車場もなんと満車である。
チンタラ流すパトカーともすれ違う。
一戸立て住宅の部屋明かりも見える。
日の出を控えてようやく見える山の稜線を眺め、
他人のプライバシーを覗いているようなチョイワルな感覚になる。
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