マムシ

曜日の今日は、朝から晴れて暑くなっている。

いつもの山へ、秋の様子を見に行きたくなり、
昼ごろ2ストロークの愛車、

ジムニーに2匹の犬を乗せ、山へ向かう。

標高600mの、大きな沢が交わる林道脇に車を止め、

峰を目指して、斜面を斜め上方に登る。

久しぶりの山歩きで、足は思うように前へ出ず、

暑さでシャツもジーンズも大汗に濡れる。

ようやく山の峰に出て、20分ほど歩くと、

直径1.5mの古い切り株が、けもの道をふさいでいる。

その切り株の芯の部分は、古くなって腐り、

空洞になっていた。

越えようとして中を覗くと、真っ黒い肌に、

白く細い帯をまとった蛇が、

トグロを巻いて昼寝している。

体つきは、ずんぐりむっくりで、 とっさにマムシと判り、

あわてて少し後ずさりする。

ヤブの中を迂回して、また峰道に戻り、

気を取り直して10分ほど歩くと、

両腕も回らないくらい大きなモミの木の倒木が、

ドーンと道をふさいでいる。

その木の上に足を掛け、数歩踏み出すと、

今度は大きな羽音を響かせ、

橙色の体長5cmの蜂が1匹、目の前に現れた。

見る間に3匹、3mほど離れたこちら側に顔を向け、

臨戦態勢で威嚇している。

すぐにでも声を立て、逃げ出したいのをこらえ、

ゆっくりと背を向け、 彼らを驚かせないよう、

ヤブの中に静かに逃げ込む。息をひそめていると、

羽音も聞こえなくなり、一息つく。
マムシとスズメバチに出会い、

すっかり意気消沈して山を降りる。

車に戻り、落ち着いたところで着替えると、

泥にまみれた長袖のシャツは、冷や汗も含んで、

脱水前の洗濯物のように、ずっしりと重くなっていた。

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