スパイク付き地下タビ
ゴム底に、スパイクを打ち付けてある地下タビは、
滑りやすい山の斜面でもピンが土をつかみ、足元は安定する。
そのタビを履き長時間、雪の上を右往左往していたら、
指先は知らぬ間に冷えていたようだ。
山菜採りの帰り道、近くの肘折温泉にある、第③セクターで経営している
りっぱな外観の温泉施設の門をくぐる。
350円で入浴券を買い、冷えた体を温めたくて、どこも洗わないまま湯船に
足先から浸かると、両足の指先はお湯に触れたとたん痛み出す。
たらいでお湯を足先に少しづつかけても、まったく痛みは収まらない。
よくよく足先を眺めたら、指の第二関節まで、
血の気の無い白いロウのようになっている。
朝から一緒だった先輩3人が湯から上がる頃、指先の皮膚の色も
他と同じになり、ようやく温泉にからだを沈め、上機嫌で帰路を急ぐ。
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