農業用 石油発動機

まだガソリン類がとても高価だった昭和20年代、
農業用機械(脱穀機など)の動力源となったのが、
この石油発動機です。
当店の星さんは、
昭和初期の香りのする発動機が大好きで、
自身で整備して動作するように修理した発動機を、
自宅に11台も保管しています。


画像は久保田鉄工製(現在のクボタ)、2.5馬力の中速タイプ
AHC型です。
当時高価だったガソリンを始動時に用い、
エンジンが機嫌よく目覚めたら灯油運転に切り替えます。



発動機は原動機ですので、
出力用のプーリーにベルトを掛け、
農機具(主に脱穀機)を回します。





昭和初期から30年代にかけて、
脱穀機は村に何台かありましたが、
これを駆動する発動機は高価でしたので、
村にはほとんどありません。



そこで発動機を荷車に載せて村中の農家を訪問し、
脱穀機などの作業機械を回してあげる、
発動機屋さんのような商売が成り立っていたそうです。



















始動方法
①機関本体上部のホッパーに、
ピストン冷却用の水を注ぐ。
②機関上部にある2つのガラスオイラーに、
オイルを入れる。



③気化器(キャブレター)のガソリン壺にガソリンを満たす。
④燃料タンクに灯油を満たす。
⑤ガソリン側のバルブを4分の1ほど開ける。
⑥フライホイールを勢い良く手で回す。



⑦始動後はエンジンの様子を確認し、
灯油バルブを開ける。
オイルの混じった灯油の焼ける匂い。
単気筒エンジンの腹に響くサウンド。
鉄の塊で無骨な原(元)動機のカタチ。
現在のエンジンを見慣れた眼には、
まか不思議な物に出会ったように映ります。

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