西沢林道
山形県西置賜郡飯豊町にある中津川地区の、
現在住んでいる人は2軒だけの広河原部落は、
深い山々に囲まれている。
その部落の一番奥に山の神神社は在り、
そこから湯ノ沢間欠泉に通じる東沢、福島県の熱塩加納村に通じる西沢と、
2つの林道がある。
西沢と呼ばれる林道を、2サイクルエンジン搭載のスズキジムニーで進むと、
間もなく国有林等の説明文が記された、林野庁の大きな看板があり、
その先は大きながけ崩れのため、バイクや車は通れない。
山菜採りスタイルに着替え、大阪府出身で保険会社に勤務する28才の尼寺君と、
あちらこちら崩落した林道を、標高約1050mの谷地平を目指して、ゆっくり登る。
林道と呼ぶのははばかれるほど、がけ崩れやヤブで通り抜けしにくい。
この道の日陰に休むと、切り立った山間を抜ける風は、
汗ばんだ体を心地よく冷やしてくれる。
雲一つなく、真っ青に澄み切った青空は、
さまざまな木々の緑色の向こう側に、鮮やかなフルカラーで彩り良い。
AM8時からPM2時まで、山菜を採りながら林道を登り下りする。
途中で飲んだ、岩から染み出てきたミネラル水は、
冷蔵庫で冷やしたように冷たく、そしておいしい。
山を降り、米沢市にある小野川温泉でサッパリしたあと、
自宅で尼寺君と反省会。
疲れと酔いで二人ともダウンする。
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