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花暦

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すがすがしい空気、木々と草花の香り、 色を感じてそうなるのだろう。 ここの山に入ると、すっと肩の力が抜け自然と笑みを浮かべる自分が居る。 山菜取りに何年もこの場所に来ているのでほっとするのかもしれない。 梅雨時には独特の香りを放つ栗の花が満開になり、 路傍にはかわいらしい桑の実があふれる。 ししうどの白い花は、地面からひときわ高い所に咲き誇りよく目に付く。 きょうはミズナ(ウワバミソウ)を採りに来た。 ウワバミ(蛇)が好んで現れそうな、 暗くて湿った場所に多く自生するためその名はあるそうだ。 車を降りてもう何年も前に崩れ落ちた林道を、 30分ほど上り目的地に来る。 あまり人は入らないので、太くてやわらかいミズナが採れた。 天気も良いため、一日中そこで過ごす。

肘折

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豪雪地の大蔵村出身で昭和8年生まれの人と、 日産ディーラー勤務の2人の合計4人で、 大蔵村肘折温泉奥の大きな砂防ダムのある山々に山菜取りに出かけた。 当日朝1時半に待ち合わせて午前2時に出発、 現地に着いたのは朝もや煙る午前4時半。 真夏にスキーが出来るほどの雪を抱く月山の、 山間にあるそのダムにボートを浮かべて対岸の山に行く。 ボート無しでそこに行くには山々を廻るため、 ゆうに半日はかかるが、我々は15分だ。 7年前に初めて来た頃は、 あまりお目にかからない青ミズナの大群生地を踏みしめて、 やまうどの畑のような斜面に着いた。 久しぶりに訪れた当地は人の歩いた跡があり、 山菜も少なくなっていたが、それでもまだまだ採りきれないほどだ。 ここしばらく雨もないのにダムの湖面は黄色に濁り、 上流で大規模な土砂崩れでもあったようだ。 雪解け水と沢水を満々と蓄えるその中に転覆したらそこで命は無い。 でも我々の誰もダムの中に沈むかも?なんて思いは微塵も無く、 山菜の宝庫に思いを馳せてオールを漕ぐ。 山菜取りに興味の無い人がこれを見れば、こう言うだろう。          「アイツらは狂気の沙汰だ」。

はなごよみ 花暦

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ご存知の方も多いでしょうが、 山菜は毎年決まった日に採り頃になるわけではない。 山に通い始めの頃は5月の連休前後になるともう出始めているだろうと思い、 そくさくとでかけていたものだ。 ここ数年は山に咲くそれぞれの花の開花を横目に眺めつつ、 山菜取りに出かける。たとえばこんな具合に。 かたくりの可愛らしくもはかなさのあるピンクの花が咲き出すと、 コゴミは最盛期を迎え、ぜんまいは出始める。 山ツバキの燃えるような真紅の花は、ぜんまいとやまうどの盛りを教える。 フジの花は美しい紫色を見せ、 雨上がりには特にキレイで、ヤマウドやゼンマイの採り頃の終わり、 わらびの旬を告げる。 ウツギのピンク色の花々が道路わきに咲き誇るとワラビの最盛期で、 ミズナやフキもそろそろ良い頃合だ。 こうして、また山また山。

竹林

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保険会社の先輩に誘われて福島県の北部の山間に、 あるお金持ちの所有する竹林があり、 間引きの手伝いに行く。 小高い山の一面が見事な孟宗竹の林である。 山男達はチェーンソーを片手に手馴れた手つきで、 直径10cmから20cmぐらいの真緑の竹を根元から切り落とす。 切り落とした竹を片付ける作業を一時間くらいしていたところで大雨となり、 孟宗竹のたけのこを掘って解散する。 20分ほどで40kgのたけのこが採れた。 いままでで一番楽な山菜取りで、先輩に心から感謝する。 その夜は竹の子料理のみで大満足。

雷鳴

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今日の天気予報は曇り時々晴れでまた山菜取りに来た。 家を出るときはうす曇だった。 急斜面でゼンマイ取りをしていたところ、 遠いようで近い雷鳴がした。 恐ろしくなり山を転げるように止めてある車まで戻る。 作家の吉川先生の三国志は好きでよく読むが、 その中の記述そのもののような天候の急変で、 うす曇の空は一転にわかに黒く曇り、 雷鳴は深山の刻み込まれた山々にこだまして、 空気を切り裂くが如きに吼える。 その上5ミリぐらいの雹が 車のボンネットとフロントガラスを叩く。 雨はスコールのようだ。 高山の雷は心底ヤバイ。

カタクリ

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山形県の飯豊町中津川の奥深くには、 ブナの原生林と思われる場所が沢山ある。 毎年この時期になるとブナの心に染み入るような鮮やかな緑を楽しみに、 山菜取りに出かける。 今日はカラーポジフィルムで撮影した空のように澄み切った青い空で、 肌に触れる空気も雪解けの川の水に触れたように清々しい。 可憐な花で美しいピンク色のかたくりが、あちこちに群生している。 その近くにはゼンマイも多い。 お目当てのヤマウドは、顔を斜面から出したばかり。 山菜はまだまだこれから盛りを迎えるけれど、 ブナの新緑は今が見頃で目に焼きつくようだ。