山形県と宮城県の県境にそびえる蔵王連峰の山形県側に、 標高1000mの蔵王坊平高原があり、 その名のとおり、なだらかな斜面に囲まれている。 その高原で蔵王クロスカントリー大会は開催され、 子供の応援とバイクツーリングを兼ねて、自宅を朝10時に出る。 国道13号線を北上し、上山市に向かうと、 真夏の太陽とアスファルトからの照り返し、 そしてホンダCB1000の4気筒エンジンの熱で、 風を受けながら走っていても、暑くて熱くて汗が出る。 国道に設置された電光気温計は、プラス32度を表示している。 国道13号線を右折し、充分な道路幅の、曲がりくねった山道に入る。 バイクのエギゾーストサウンドと共に登れば、 半そでシャツを着た上半身に、ややひんやりした空気が当たり、 汗ばんだカラダをようやく冷やしてくれる。 坊平高原のクロスカントリー大会会場前の、 車は駐車禁止になっているが、 わずかに空いたスペースに、バイクを滑り込ませて停める。 蔵王クロスカントリー競技は、3km,4km,6km,8kmのレースがあり、 小中学生から大学、一般までのカテゴリーに分かれ、 6km,8kmの競技には、 東洋大学の現役バリバリの駅伝レギュラー選手が招待されていた。 クロスカントリーコースに隣接する400mトラックを一周半して、 芝生におおわれた幅3mのクロカンコースを、 アップダウンを繰り返して走り、ゴールとなる400mトラックになだれこむ。 そのコースの長い下り坂で、 最もスピードに乗って駆け下りるゆるいカーブに腰を下ろし、 耳を澄ますと、選手の息づかいはもとより、足音まで聴こえてくる。 招待選手の柏原竜二さん、本県出身の佐藤寛才さん、 仙台育英高出身の釜石慶太さんの走りを、かぶりつきで見る。 http://www.geocities.jp/toyogogo_tu/sensyutachi08.html その招待選手の中で、柏原竜二選手の芝を蹴るキックの音は、 芝生に座っている尻にズドンズドンと響き、 他の招待選手のなかでも抜きん出ていた。 蒸気機関車を思わせる力強いキックだったが、 その強さゆえ、ケガなどされぬよう十分なケアをしてください。