おしょうしな
山形市内に自動車保険の継続と買取車の引き取りを兼ね 一台積みの積載車で向かう。 お客様の自宅の駐車場に積載車は大きすぎて入らないので、 その近くにあるスーパーの広い駐車場に止める。 ダイをしたくてそこのトイレに駆け込み、 ドアを閉めて腰を下ろしたところでフッと一息つく。 落ち着いたので着信アリの用件を済まそうとケータイを取り出し、 そのままの姿勢で相手と話しているところに、 誰かショーベンに来たようだ。 電話を切るわけにもいかず「よろしくおねがいします、おしょーしな」と話し終える。 用を足していた、ドアごしの見ず知らずの人は 「おしょーしな・・が・・なづがしいな・・米沢がぁ」と、 誰に聞かせるともなくつぶやいた。 自分も「こちらは米沢からです」と。 見知らぬ二人はドアを隔てた声だけのやりとりで、「くさい仲」になる。