砂防ダム
林道をズンズン登るとスギ林の人工林からブナ、
ミズナラ、トチ、カエデ等の自然林になり、その大木は山を覆う。
澄み渡る空気はさわやかで、風が吹けば体にまとわり付く蚊やブヨ、
アブもどこかに去ってしまい、落ち着いて森林浴を楽しめる。
川のせせらぎは耳に優しく、川面の光と影は見ていて飽きない。
こんな素敵な景色を台無しにするのは、数多くの目障りな砂防ダムである。
川の流れを分断し海の砂浜の侵食を招き、
砂に含まれるミネラル分の不足のため磯焼けして海草は無くなり、
岩場にはそれを食べて生きる貝類もいなくなる。
高校生の頃、合宿で2週間ほど訪れた温海の海岸の岩場は、
海草やアメフラシなどで赤や黄緑、
紫や橙色に彩られて海から上がりたくなかった。
30年後の同じ場所に潜っても、磯焼けで面影すらない。
砂防ダムの全てが悪いとは言えないのだろうけれども。
*参考まで日本の公共事業は、GNPの12%にも達し、主要先進国でこのような国はありません。アメリカと比べ人口1/2、面積1/25の日本が、アメリカを上回る公共事業を毎年行っています。日本は世界一の土建国家であり、セメント消費国です。(「日本環境報告」 本多勝一 より)
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