白い恋人




賞味期限を過ぎて販売して、話題になった有名な御土産品は、
ご存知のチョコ、白い恋人だが、
飯豊町中津川地区のそのまた奥の部落で作る御酒、
この寒い時期しか作ることのできない、通称「どぶろく」は、
まさに白い恋人である。
気温が10度を超えると、急速に発酵は進むので、
フタは稲わらの栓をしてある。
保存には雪の中につっこんで置くのが最適なのだが、
今年は暖かく、雪は降っては融けてしまい、
北向きの屋根下にわずかに残った雪をかき集めて、
その中で保存している。
名人の作る今年の「どぶろく」は少し甘みは足りないが、
発酵して出る炭酸のおかげで、喉越しは相変わらずすばらしく、
夜になりグラスを持つのが待ち遠しい。
名人の家は、深い山々に囲われ、
常にミネラル豊かな湧き水が溢れている。
その水と、それで育ったうるち米で作る冬限定の酒、
名人のドブロクは、よほどのへそまがりでない限り、
こんなうまい酒は初めてだァと。

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