自動車保険

今でこそ自動車販売ディーラーは自動車保険を重要商品として、
会社をあげて取り組んでいますが、
20数年前は「自動車保険を獲得する暇があったら、車を一台でも多く売って来い!」
 「保険なんてどうでもいいから、一人でも多くのお客様に会って車を売り込め!」
 という時代でした。

保険の入れ替え契約をせず車のみを販売すると、
おのずと売りっぱなしとなり、
そのお客様とはその場限りのお付き合いとなります。

自動車保険は、ほとんどの契約が一年毎の更新です。
遠距離のお客様以外は、
一年間のあいだに少なくとも1~2回はお会いして継続の手続きをします。
そのため長年にわたりお客様と密接な関係を築こうとするとき、
自動車保険はとても良い商品です。

例えば20代で独身のお客様と自動車保険を通じてお付き合いが始まると、
やがてご縁に恵まれ結婚し、その配偶者の保険加入を促進できます。
健康で若い夫婦であれば子宝に恵まれ、
20年も経てばその子供がクルマに乗るでしょう。
そして子供さんも自動車保険に加入します。
つまり一人のお客様と、
自動車保険をきっかけに長年お付き合いさせていただく事により、
多くの保険商品の財産と良好な人間関係を持つことができます。

このことを20数年前に口をすっぱくして自分にいつも言い聞かせてくださり、
この仕事をするきっかけを与えてくれた恩人で先輩のS木さんは、
食道がんに対する先進医療法も叶わず、先日57歳で亡くなりました。


白い灰になってしまい、思い出の中でしか会えなくなりました。

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