冬の広河原部落
小国町叶水の基督教独立学園高校の印象を、車内で話しながら、
白川ダムの湖畔をぐるりと回り、飯豊町中津川の広河原部落に入る。
道路には25cmの新雪が積もり、
ジープタイプの最低地上高に余裕のある車以外では、
雪にはまって動けなくなる。
たった一人で、冬にこの場所にくるのはただのオバカさんだが、
防寒具で身を固めた友人のさとる君も一緒なので、
雪道でスタックしても、歩けばなんとかなると思い、
スズキジムニーの車輪で雪煙を上げながら、山奥へと走る。
右手にわらぶき屋根の大きな家が、目の痛くなるほどの白い雪景色から、
ぽっかりと浮かんでいる。
履いていた長靴も埋もれるほどの雪を踏みしめ、
ようやく玄関に着き、戸を開け大声で挨拶する。
長年の農作業で腰が曲がり、背筋を伸ばせないおばあちゃんが
茶の間からよっこいしょと迎えてくれた。
「写真撮りさ来たんだべが?」と質問される。
薪ストーブと火鉢で、心地よく温まっている茶の間に上げていただいて、
お茶を飲み、世間話をする。
おばあちゃん、おじいちゃんの二人暮らし。
元気な二人は80歳になるそうで、孫や娘の写真に囲まれていた。
12月から5月までの約半年は雪に覆われるこの地で、
子供のように笑い、ひっそりと幸せに暮らす老夫婦。
築150年の味わいのある家を後にする。
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